Q&A

Q. 放射線の種類と特徴を教えてください。
A.  主な放射線としては、α(アルファ)線、β(ベータ)線、γ(ガンマ)線、X(エックス)線、中性子線などがあります。
 α線は、ヘリウムの原子核と同じもので、大きなエネルギーを持っており、物質に作用する力が強い反面、空中では数cm程度しか飛ばず、透過力も弱く紙1枚で遮断することができます。
 β線は、電子の流れで、空中で数十cmから数mの距離まで届き、透過力はα線よりやや強く、数mmのアルミニウム板やプラスチック板で遮断することができます。 
 γ線やX線は、電磁波の一種で、物質に作用する力が弱い反面、透過力が大きく、遮断するためには厚い鉛板やコンクリートが必要です。
 なお、X線は、レントゲン写真に利用されています。
 中性子線は中性子の流れで、電気的な影響を受けないためγ線より透過力が大きいですが、水やパラフィンを使って遮断することができます。
放射線イラスト

透過力イラスト



Q. 放射能と放射線の違いを教えてください。
A.  放射能とは、放射性物質から放射線を出す性質とその強さのことで、放射線とは、α線、β線、γ線など放射性物質から放出されるものをさします。
 電灯に例えると、光線を出す性質が放射能で、光線が放射線に当たります。
 放射能の強さを示す単位は、Bq(ベクレル)で、1Bqとは、1秒間に1個の原子核が崩壊し、放射線を出すことを表しています。
 放射線の単位としては、物質が放射線によって受けたエネルギーを表すGy(グレイ)と人体への影響の程度を表すSv(シーベルト)などがあります。



Q. 環境モニタリングでは、目に見えない放射線をどうやって測っているのですか?
A.  放射線には、物質をイオン化させる電離作用、ある種の物質を発光させる蛍光作用、写真フイルムを感光させる写真作用などの性質があり、これらの性質を利用して放射線の量を測ることができます。
 当センターでは、泊発電所周辺地域にモニタリングステーション・ポスト、モニタリングポイントを設置し、常時、放射線の測定を行っています。
 モニタリングポストでは、「シンチレーション検出器」という蛍光作用を利用した測定器や「電離箱式検出器」という電離作用を利用した測定器で空間の放射線(ガンマ線)を測っています。
 また、モニタリングポイントでは、平成19年3月まではTLD(熱ルミネセンス線量計)、平成19年4月からはRPLD(蛍光ガラス線量計)という測定器を使って、3ヶ月ごとの放射線積算線量を測っています。
 シンチレーション検出器はガンマ線があたったときだけ蛍光を出すのに対し、TLDはガンマ線のエネルギーを蓄積し、その総量に比例する蛍光を出す性質、RPLDは放射線が照射されたガラスに紫外線を当てると、照射された放射線の総量に比例して発光する性質を利用して、それぞれ放射線の積算線量を測っています。
 このほか、持ち運びのできる測定器として、蛍光作用を利用した「シンチレーション式サーベイメータ」、電離作用を利用した「電離箱式サーベイメータ」などがあります。
  モニタリングポストの検出器 シンチレーション式サーベイメータ 電離箱式サーベイメータ
  モニタリングポストの
検出器
シンチレーション式
サーベイメータ
電離箱式
サーベイメータ



Q. 環境モニタリングのデータが時々高くなることもあるようですが、心配はないのですか?
A.  モニタリングステーション等での測定結果は、通常30〜50nGy/hの値を示しています。 
 これは、地球が誕生したときから地中にあるウランやトリウムなどの放射性物質から出る放射線や大気中に漂っている放射性物質から出る放射線など自然界の放射線が検出されるためです。
 また、雨や雪が降ると数値が上昇することがありますが、これは大気中に漂っている放射性物質が雨や雪と一緒に地上に落ちてくるためで、特に降り始めに高くなる傾向があり、150nGy/h程度まで上昇することがあります。
 
降雨時の放射線量変化

降雨時の放射線量変化
(赤が線量、青が雨量)
  注:nGy/hとは、放射線が1時間当たりどのくらいあるかを示す単位でナノグレイパーアワーと読みます。1nGy(ナノグレイ)は1Gy(グレイ)の10億分の1です。



Q. 環境モニタリングのデータは、どのくらいになると異常と判断するのですか?
A.  当センターでは、これまでの測定値の最大値を少しでも超えたときは、自然界の要因か発電所に起因するものかを調査する体制がとられます。
 また、北海道地域防災計画・原子力防災計画編では、空間放射線線量率が平常時の約10倍、500nGy/h(0.5μGy/h)を超える値が検出されたときは、直ちに初期活動体制をとり、緊急時モニタリングを開始することなどが定められています。
 
注:1μGy(マイクログレイ)は1Gy(グレイ)の100万分の1、1nGy(ナノグレイ)は1Gy(グレイ)の10億分の1です。



Q. 環境モニタリングの測定結果は、どこで見られますか?
A.  当センターでは、発電所の周辺にモニタリングステーション5局、モニタリングポスト3局、気象観測局1局を設置して空間放射線や気象を連続測定しています。また、北海道電力でもステーションやポストを設置し測定を行っています。
 これらのデータは当センターの表示盤に表示しているほか、関係4町村(泊村、共和町、岩内町、神恵内村)の各役場と後志総合振興局で見ることができ、更にインターネットのホームページでも御覧いただけます。

 原子力環境センターホームページ
 http://www.pref.hokkaido.jp/soumu/sm-gensc/

 また、電話やFAXで現在のデータを確認することもできます。
 (0135−79−2381,2382)

 なお、各局個別のデータは、測定局の表示窓でも見ることができます。
 データは四半期ごとに専門家の評価を受け、確定データとして取りまとめ報告書を作成するほか、その概要を当センターの広報誌「原子力環境だより」に掲載し、関係4町村に全戸配布しています。

  データ表示盤(当センター) 町村データ表示盤 測定局表示窓 報告書と広報誌
  データ表示盤(当センター) 町村データ表示盤 測定局表示窓 報告書と広報誌



Q. 環境試料中の放射能測定は、どのように行われているのですか?
A.  当センターでは、すいか、メロン、生乳などの農畜産物、かれい、ほっけ、いかなどの海産物をはじめ、海水、海底土、陸水、陸土、浮遊じんなど1年間に40種類、総計440検体におよぶ試料について放射能分析を行っています。
 これらの環境試料は定期的に採取し、粉砕、乾燥さらには灰にするなどの前処理を行った後、各種の放射能測定装置を用いて放射能を測定しています。
 測定結果は、環境モニタリング結果として、四半期ごとに専門家の評価を受け、報告書や広報誌で公表しています。
環境資料
 
ゲルマニウム半導体検出装置 液体シンチレーション計数装置 低バックグランドガスフロー計数装置
ゲルマニウム半導体検出装置 液体シンチレーション計数装置 低バックグランドガスフロー計数装置



Q. 排気筒モニタという項目では、500近い数値が示されていますが、異常ではないのですか?
A.  排気筒とは、原子力発電所内の排気を活性炭吸着塔やフイルターなどで処理した後、排気筒モニタで放射線を測定し、安全を確認しながら外に放出する設備です。
 排気筒モニタの数値は、1分間に測定される放射線の数を示す「cpm」という単位で表示しており、空間放射線量率の単位「nGy/h」とは異なります。
 400〜500cpm程度の数値は、通常の空気中の放射線量で、バックグランド値と言えます。
排気筒



Q. これまでに発電所が原因の異常な数値を検出したことがありますか?
A.  当センターは泊発電所の営業運転開始の約2年前から継続して環境モニタリングを実施しています。
 これまでの測定結果は、四半期ごとに専門家の評価を受け、確定データとして公表しておりますが、泊発電所に起因する異常な値を測定したことはありません。
泊発電所全景



TOP PAGEへ